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1月2日付けの海外ニュースに、こういう記事がありました。
雪の中に座り込むホームレスの男 ~ 施しのお返しとして手渡したものとは - IRORIO(イロリオ)

記事のあらまし。

ホームレスにお金を手渡したら、お礼に封筒を渡され、中には手紙とお金が入っていた。
・実は、ある有職者が「名前も告げずに人に施しをする人々に同調の意を示せると思」い、ホームレスに扮してお金をくれた人にはお礼を渡した。
・お礼として50枚の封筒を用意し、合計1000ドル(約10万円)のお札を配った。また、受け取ったお金は、ホームレスシェルターに全額寄付した。

記事にはSNSボタンが付加されていて、よい話としてまとめられているようです。

しかしところは雪の中、凍死するかもしれない屋外でのこと。
この場合、人助けとはお金を手渡すことでなく、暖かい場所と食事を提供することでは。
そのためには日頃にシェルターを支援し、案内することが大切なのでは。

そう思いました。

わたしが有職者にお金を手渡した人々のうち、ひとりなら。
封筒の中身には、喜ぶどころか猛省を促されそうです。
思慮不足を指摘されたようで、全然嬉しくない。

同じ観点から、保留コーヒーにもよい話とは思えません。
知ってた? 1日で1万回以上シェアされた“保留コーヒー” - IRORIO(イロリオ)

保留コーヒーを知らないホームレスにとって、あるいは品切れの場合。
不運で済ませては、せっかくの好意がだいなし。
ましてや、受け取れなかったことで失望させたら、かえってよくないじゃないですか。

なにより引っかかるのは、ホームレスを物乞いのように扱っていること。
ホームレスは定住の家がない者、物乞いは物を乞うて生活する者。
ありようが違うので、手助けの動機と方向性も異なるのでは。

わたしの場合、人に施すほどの資産を有してません。
しかし、明日は我が身と思えるホームレスには、できる範囲でなにかしたい。
それなら、わたしにとっても有益と思える方法を選択すればよいのでは。

そう考えて、最近はじめて『ビッグイシュー日本版』を買いました。
ビッグイシュー日本版|BIGISSUE JAPAN

くわしい感想は、後日あらためて言及したいと思います。

【関連リンク】
ホームレスの実態に関する全国調査(概数調査)|厚生労働省
調査の目的は、自立支援策の効果測定。ネットカフェなど屋内の不定住者は対象外。

日本のホームレスの現状と課題 | SYNODOS -シノドス-
2013年4月の記事。

「若者ホームレス白書」を読み解く ― ビッグイシュー基金の挑戦 | SYNODOS -シノドス-
2012年8月の記事。

写真素材 足成(撮影:*ami)