2012年5月、上級救命講習を受けました。
ところは防災センター。定員50名のうち出席44名(男32名、女12名)。講習時間は9:00~16:30。講師は複数名、現役を退いた消防隊員のようでした。指導は元気よく、やさしく丁寧、時にコミカル。 頭と体で、救命の大切さを教わりました。
救命講習とは
応急処置技能認定講習。消防本部、日本赤十字社で行われています。
■救命講習 - Wikipedia
救命講習を受けるには
わたしの場合、「居住地名 救命講習」でWeb検索。ヒットした消防団体の講習予定ページを見て、電話で問い合わせ。
講習は全部で3コース。普通救命講習Ⅰが午前・午後それぞれで2コース。教材費は各1,000円(税込み)。上級救命講習が終日で1コース。教材費は1,500円(税込み)。
はじめて講習を受ける場合、普通からかと思いきや。「受けたい方のご都合によるので、どちらでも大丈夫ですよ」とのお話。
希望した日時に普通がなく、他日の上級なら定員内と言われて、ではそちらをと予約。教材費1,500円(税込)は、用紙に受講番号を記入して振り込みました。
当日の持参物など
■ 昼食(あるいは外食、買出し)
■ 大きめのタオル(汗拭き、防寒に使用)
■ 動きやすい服装(スカート不可)
■ 室内履き、履物を入れる袋
■ 筆記用具(申し込み書やテキストへの書き込みに使用)
受けてみて、こうしたほうがよいのではと思ったこと
■ 上は長袖(実技は人と組むので)
■ 入浴、歯磨きなどの身だしなみ(同上)
■ 喫煙は時間内がまん(同上)
■ 昼食は少なめに(心肺蘇生の実技がヘビーなので)
■ 睡眠はよくとっておく(同上)
受けて得られるもの
救命技能はもちろん。
■ 教材(袋入り)テキスト2冊、人工呼吸用携帯マスク、三角巾、ゴム手袋、除菌ウェットティッシュ
■ 上級救命講習修了証
金色のカード1枚
タイムスケジュール
※座学や実技は、移動・休憩5~10分を含みます。
■ 受付: 8:30~9:00
■ 座学: 9:00~10:00応急手当の基礎知識
■ 実技: 10:10~12:00傷病者の管理、回復体位、救命処置(反応を確認、助けを呼ぶ、呼吸を確認)
■ 休憩: 12:00~13:00
■ 実技: 13:00~15:30救命処置(反応を確認~呼吸を確認、心肺蘇生、AED)、異物の除去、搬送(担架、徒手)、止血、包帯
■ 座学: 15:45~16:30応急手当(けが、やけど、溺水、熱中症、けいれん等)
受けた感想
とても有意義でした。
さっきまで元気だったのに、心臓と呼吸が止まってしまった。そういう人が身近に、いつなんどきいるかもしれません。
救急車は呼んでから到着するまで、全国平均で8分強の時間がかかります。時間は、心臓と呼吸が止まってから10分が勝負。手をこまねいてただ救急車を待っては、助かる率が半分に低下。助かって一ヶ月後の社会復帰率も、同様ですから。救命講習を受けることで、救命の可能性を高められるのは、とても有意義。
関わる勇気
講習を受けることで、救命の連鎖に関わる勇気も持てます。「何もしない」より「何か一つでも」行う勇気。慌てず状態を確認して、大きな声で助けを呼ぶ。あなたは119番通報してください、あなたはAEDを持ってきてくださいと連携をとる。これらは勇気がないと、咄嗟に行いにくいです。
行う覚悟も持てる
受講によって持てるのは、行う勇気だけではありません。
心肺蘇生法の要は、胸骨圧迫。乳頭と乳頭の中間をムギュムギュ押す、あの処置。1分間に100回の速度で、絶え間は最大でも5秒として、人工呼吸と組み合わせて行います。押す強さは、傷病者が大人なら、胸が少なくとも5センチは沈むよう。小児なら、胸の厚さの約3分の1は沈むよう、強く押します。
中断は、AED(自動体外式除細動器)が解析中の間くらい。つまりAEDがあってもなくても、心肺蘇生法はし続けないといけません。「救急隊に引き継ぐまで、または傷病者が目を開けたり、普段通りの呼吸が出現するまで」。
実技では「救急車きました!」の声が掛かるまでの時間が、とても長く感じられました。救命者が2人以上いれば、1~2分を目安に交代できますが。1人だと、全身運動を延々ですから、相当の労力が要ります。でも途中でやめるわけにはいかない。そういう覚悟が、講習を受けることで持てるようになります。
よかれのリスク回避
正しい応急処置を知ることで、よかれのリスクを回避することもできます。たとえば、けいれんでは、口の中に物を入れません。バイク事故では、ヘルメットは外さずにおきます。
受講のすすめ
応急手当を知ることは、世のため人のため、しいては自分のため。基本なら半日1,000円、上級なら1日1,500円で身につけられます。救命講習、ぜひ多くの人に受けてほしいと思います。
【備考】
加工した修了証と、骨格見本。胸骨圧迫では、剣状突起という押してはいけない部分があります。見本でいうと胸骨の先端、とがった部分。見ればなるほど、押せば内臓を傷めることがわかります。詳細は、講習で!