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12月5日、「ユーキャン新語・流行語大賞」が決定。
年間大賞は4つ、「じぇじぇじぇ」「今でしょ」「倍返し」「お・も・て・な・し」。
いずれか1つを選ぶには、甲乙つけがたかったようでした。

さて、流行語
大賞が決まる前から話題になったのは、その商標権取得について。
流行語を生み出した者ではない、第三者による出願でした。

商標権の取得に際し、第三者による出願は不登録事由になりませんが。
先願でない普通名称や標語であるなどは、不登録事由になるので。
流行語はどう扱われるのか、過去の例を検索してみました。

検索に利用したのは、「特許電子図書館(IPDL)」。
独立行政法人工業所有権情報・研修館が提供するデータベース。
インターネット環境とキーボードがあれば、誰でも利用できます。

利用するには、トップページにアクセス。
検索メニューの「商標検索」をクリックし、一覧画面へ。
一覧画面で「[4]呼称検索」をクリックし、呼称検索画面へと進みます。

呼称検索画面が表示されたら。
(1)「呼称1」に、過去の流行語をひとつ、全角カタカナで入力。
ここでは、2011年の流行語トップ10にあった「スマホ」を入力。

(2)下方のボタン「検索実行」をクリック。
実行結果が、上方に「検索結果X件」と表示されます。

(3)検索結果を見るには、その下のボタン「一覧表示」をクリック。
「(類似種別順)」「(番号順)」どちらでも表示されます。
一覧表示画面では、「出願/登録」個別に詳細を見ることができます。

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「スマホ」を例に検索したら、登録数は146件。
登録商品・役務が、いわゆるスマホに関係しないものも多々。
同じ、類似の商標も少なくありません。

過去の例として、このほか「女子会」「就活」なども検索。
登録商品・役務はバラエティに富んでいるので。
商標だけでなく、商売のヒントも今後について得られそうです。

ここで、冒頭の話題になっている流行語の出願について。

特許電子図書館(IPDL)」の「[3]商標出願・登録情報」で検索。
詳細を見てみました。
感想としては、第三者だから云々というのは今更のような

そもそも、商標とは。

他人のものと区別するために使用するマークのこと。
使用者にとっては、商標が保護されることにより、自らの信頼維持を図れて。
商品・役務への信頼に付随し、ブランドイメージをつけられるのが利点です。

流行語の商標登録は、誰でも可能ですが。

商標登録は、マークが同じでも、商品・役務が違えば受けられて。
逆に、マークが違っても、商品・役務が同じなら受けられるので。
流行語を用いた場合、登録数が増えて商標機能が弱まる可能性が大。

さらに、流行語は広告機能の強さが長所である一方。
ライフサイクルが短いので、使用商品・役務に影響する可能性も大。
従って、使用商品・役務への信頼を強める努力が、より必要です。

商標登録制度では、この業務上の信頼維持を図ることを通じて。
産業の発達に寄与するとともに、需要者の利益保護を目的としています。
検索してよくわかるのが、商標機能の活用は使用者の努力次第ということ。

第三者による商標出願には、今更の印象があり。
出願件数そのものは、年々減っている傾向にあり。
流行語の出願が話題になった背景には、ブランディング至上主義があるような。

ブランディングと商標については、また今度。
身近な商品・役務を例に、言及したいと思います。

【関連リンク】
商標制度の概要(特許庁)
 「商標制度紹介ビデオ」もわかりやすい。

平成25年度  地域中小企業知的財産戦略支援事業費補助金(地域中小企業外国出願支援事業)
 外国出願で、国外での侵害行為を防ぐ。

流行語大賞“みんな一等賞”に落胆の声も(ZAKZAK)
 造語でなく、発言者の個性によるものが多かったから?

意匠・商標出願動向調査報告(特許庁)
 出願数は減っているようです。

ふなっしーそっくり! 銚子の「キャベツの妖精」に苦情殺到(MSN産経ニュース)
 ふなっしー、登録商標で検索できます。